事業承継は、相続人が納得したうえで、適切に行うことが大切。やり方によっては、会社の存続が危ぶまれるような事態になることもあります。北九州の「服部合同事務所」がトラブルなく事業承継をするためにポイントをお教えします。
事業承継とは、株式、資産、従業員など会社の事業全体を後継者に引き継がせることです。多くの中小企業は、経営者自身が会社の株式や資産を保有しており、経営者が亡くなることで、会社経営に大きな影響を及ぼすことがあります。
人的承継 | 経営権の承継。後継者が会社を経営できるよう人脈やノウハウも一緒に引き継ぐ。 |
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物的承継 | 自社株の承継。自社株の評価額が高い場合は相続税や贈与税が多額になる。 |
事業承継で経営者の方が心配されるのが相続税に関することです。非上場株式や非上場会社の評価は困難であることから、多くの経営者の方が悩まれています。 非上場会社の評価は、相続税・贈与税の計算上「取引相場のない株式」に分類されます。大きく分けると、その評価方法は以下に分類されます。
純資産価額方式 | 会社の資産から「負債」と「評価差額に対する法人税額等相当額」を控除して会社の評価額を求める方式 |
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類似業種比準方式 | 「類似業種の平均株価」「1株当たりの配当金額」、「年利益金額」「純資産価額」を類似業種と比較して計算する方法 |
配当還元方式 | 原則的評価方式もしくは配当還元方式にて評価する方式 |
これらの評価方法は、会社の規模(資産総額・従業員数・売上高等)によって、以下のように定められます。
大会社 | 類似業種比準方式か純資産方式を適用します。 |
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中会社 | 類似業種比準方式と純資産方式の併用方式(併用割合:類似0.6~0.9、純資産0.4~0.1) |
小会社 | 純資産方式または類似業種比準方式と純資産方式の併用方式(併用割合:0.5) |
事業承継の際は、持株・不動産の贈与・売却など長期的効果が期待できる対策を行うことが重要です。また、経営者自身が所有する株式や、経営している会社の自社株や不動産等の財産は、後継者へ集中させて引き継がせておくといいでしょう。
経営者名義だった不動産は、会社名義、あるいは後継者名義にする必要があります。親族や後継者に売却する形式で譲り渡せば、節税効果を期待できる場合もあります。